
「とにかく面白いミステリー小説でおすすめは?」
「ミステリー小説を無料で読める裏ワザなんてないよね?」
「最後の一行で鳥肌が立った」「思わず一気読みしてしまった」――そんな読書体験を求めていませんか?
日々の忙しさやストレスから離れ、驚きと興奮を味わえるのが、とにかく面白いミステリー小説の醍醐味です。
ただ、数ある作品の中から本当に面白い一冊を見つけるのは難しく、せっかく時間をかけても期待外れだった経験がある方も多いはず。
この記事では、初心者でも安心して選べるとにかく面白いミステリー小説の名作から、歴代の傑作や2025年の最新作まで、読めば夢中になるおすすめ作品を目的別に厳選して紹介します。
- ストーリー展開に驚きがある作品が読者の心を掴む鍵となる
- 著名作家や話題作は失敗が少なく初心者にもおすすめ
- 読書目的に合わせてジャンルやテーマを選ぶと満足度が高い
とにかく面白いミステリー小説を選ぶには、意外性のある展開、実績ある作家の作品、そして自分の読書スタイルに合ったテーマが重要です。これらの視点で選べば、夢中になれる1冊ときっと出会えるはずです。
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【厳選】とにかく面白いミステリー小説10選
早速、とにかく面白いミステリー小説10選をご紹介!
読者を一気に引き込む展開や意外性のあるストーリーを楽しめる作品を厳選しました。
どの小説も高評価で、ミステリー初心者から上級者まで満足できる内容です。
- 変な絵(雨穴)
- 変な家(雨穴)
- 教誨(柚月 裕子)
- 方舟(夕木 春央)
- 傲慢と善良(辻村 深月)
- マスカレード・ゲーム(東野 圭吾)
- 英雄の悲鳴 ラストライン7(堂場 瞬一)
- 高宮麻綾の引継書(城戸川 りょう)
- 近畿地方のある場所について(背筋)
- 変な家2 ~11の間取り図~(雨穴)
変な絵(雨穴)
雨穴氏の『変な絵』は、9枚の奇妙な絵に秘められた謎を解き明かす長編ミステリー小説です。あるブログに投稿された「風に立つ女の絵」、行方不明の少年が描いた「灰色に塗りつぶされたマンションの絵」、山奥で発見された遺体が残した「震えた線で描かれた山並みの絵」など、不可解な絵が次々と登場します。登場人物たちは、これらの絵が示すメッセージを解読し、隠された真実に迫ります。各章で描かれる独立した事件が、最終的に一つの大きな謎へと収束していく構成が特徴です。前作『変な家』に登場した設計士・栗原も物語に関与し、物語に深みを与えています。読者は、絵に隠された手がかりをもとに、登場人物と共に謎解きを楽しむことができます。
- 9枚の奇妙な絵に隠された謎を解き明かすスリリングな展開
- 各章で独立した事件が最終的に一つの大きな謎へと収束する巧妙な構成
- 前作『変な家』の登場人物・栗原が再登場し、物語に深みを加えている
雨穴氏の『変な絵』を読み終え、深い余韻に浸っています。物語は、奇妙な絵に隠された謎を解き明かす過程で、人間の心理や隠された過去が浮かび上がる構成となっています。
各章で描かれる独立した事件が、最終的に一つの大きな謎へと収束していく展開には驚かされました。特に、前作『変な家』の登場人物・栗原が再登場し、物語に深みを与えています。
また、絵を手がかりにした謎解きの手法が新鮮で、読者自身も推理に参加しているような感覚を味わえました。全体を通して、人間の内面や家族の関係性が巧みに描かれており、単なるミステリーにとどまらない深みを感じました。
変な家(雨穴)
雨穴氏の『変な家』は、間取り図に潜む謎を解き明かすミステリー小説です。主人公の「私」は、友人の女性から新居の間取りについて相談を受けます。一見普通の家に見える間取り図ですが、よく見ると不可解な点がいくつも存在します。例えば、使途不明の小部屋や、奇妙な動線などです。主人公は建築士の栗原と共に調査を進めるうちに、その家が持つ恐ろしい秘密に迫っていきます。物語は、間取り図を手がかりにした新感覚のミステリーとして展開し、読者を引き込んでいきます。
- 間取り図に潜む不可解な点から始まる新感覚のミステリー
- 建築士・栗原と共に家の秘密を解き明かすスリリングな展開
- 読者自身も間取り図を見ながら推理に参加できる没入感
雨穴氏の『変な家』を読了し、独特な間取り図を手がかりにしたミステリーの新鮮さに驚かされました。主人公が建築士と共に間取りの不自然さを解明していく過程で、次第に明らかになる家の秘密には引き込まれました。
物語は、複数のエピソードが絡み合い、最終的に一つの真相へと収束していく構成が見事です。各章で提示される謎が巧妙にリンクし、読者を飽きさせません。
また、文章が平易で読みやすく、ミステリー初心者でも楽しめる内容でした。恐怖を煽る描写も過度ではなく、適度な緊張感が心地よかったです。
教誨(柚月 裕子)
柚月裕子氏の『教誨』は、刑務所内で死刑囚の心のケアを担当する教誨師・矢島が主人公の社会派ミステリーです。矢島は、死刑囚・佐伯との対話を通じて、彼の過去や犯行の動機に迫ります。佐伯は一家4人を殺害した罪で死刑判決を受けていますが、矢島との面会を重ねる中で、事件の真相や彼の内面が明らかになっていきます。物語は、死刑制度や人間の罪と罰、贖罪の意味について深く問いかけ、読者に強い印象を残します。
- 死刑囚と教誨師の対話を通じて、人間の罪と罰、贖罪の意味を深く掘り下げている点
- 主人公・矢島の葛藤や成長がリアルに描かれ、読者の共感を呼ぶ点
- 死刑制度に対する多角的な視点を提示し、社会問題について考えさせられる点
柚月裕子氏の『教誨』を読み終え、深い感銘を受けました。
物語は、幼い娘を含む二人の女児を殺害した女性死刑囚・三原響子が、刑執行前に遺した「約束は守ったよ、褒めて」という言葉の真意を、遠縁の吉沢香純が探る過程を描いています。香純が響子の故郷を訪れ、関係者と面会を重ねる中で、響子の生い立ちや彼女を取り巻く環境が明らかになっていきます。特に、閉鎖的な田舎社会の圧力や家族関係の歪みが、響子の人生に大きな影響を与えていたことが浮き彫りになります。
物語は、過去と現在の視点を交互に描く構成で、読者を引き込みます。響子の視点からは、自己肯定感の低さや周囲からの孤立感がリアルに伝わり、彼女の苦悩が胸に迫ります。一方、香純の視点では、響子の最期の言葉の意味を探る旅が描かれ、読者も共に真相を追い求める感覚を味わえます。
全体を通して、人間の罪と罰、そして贖罪の意味について深く考えさせられる作品でした。響子の悲劇的な人生と彼女を取り巻く環境が、現代社会における家族や地域社会の在り方についても問いかけているように感じました。
方舟(夕木 春央)
夕木春央氏の『方舟』は、極限状況下での人間心理と謎解きを描いたミステリー小説です。主人公の柊一は、大学時代の友人や従兄と共に山奥の地下建築「方舟」を訪れ、偶然出会った三人家族と共に一夜を過ごします。しかし、明け方に地震が発生し、出口が岩で塞がれ、水が流入し始めます。このままでは「方舟」は水没してしまう状況の中、殺人事件が発生します。脱出するためには、誰か一人を犠牲にする必要があり、犯人を見つけ出すことが急務となります。タイムリミットが迫る中、登場人物たちは互いに疑念を抱きながらも、真相究明に挑みます。
- 閉ざされた地下空間での極限状況が生み出す緊迫感あふれる人間ドラマ
- 限られた時間内で犯人を特定しなければならないスリリングな展開
- 登場人物たちの心理描写が巧みで、読者を物語に引き込む筆致
夕木春央氏の『方舟』は、読み始めた瞬間から引き込まれ、ページをめくる手が止まりませんでした。密閉された地下空間に閉じ込められた登場人物たちが、脱出のために命をかけて真犯人を探す展開は、息苦しささえ感じるほどの緊張感でした。
誰が嘘をついているのか、誰が生き残るのか、先の読めないストーリーに夢中になりました。一人ひとりの背景や感情が丁寧に描かれており、どの人物にも共感したり疑ったりしながら読み進めました。
最後のどんでん返しには本当に驚かされました。ミステリーとしての完成度が非常に高く、読み終えた後も余韻が残る一冊でした。
傲慢と善良(辻村 深月)
辻村深月氏の『傲慢と善良』は、婚約者の失踪をきっかけに、人間関係の本質を探るミステリー小説です。主人公の西澤架は、婚約者・坂庭真実が突然姿を消したことから、彼女の行方を追い始めます。捜索を進める中で、真実の過去や家族関係、そして彼女が抱えていた秘密が明らかになっていきます。物語は、現代社会における人間関係の複雑さや、他者への理解と誤解を鋭く描き出し、読者に深い問いを投げかけます。
- 婚約者の失踪をきっかけに、人間関係の本質や現代の恋愛観・結婚観を鋭く描いている点
- 主人公が婚約者の過去を探る過程で、知りたくなかった真実や嘘に直面する緊迫感あふれる展開
- 最後にたどり着く「一生に一度の選択」を通じて、読者に深い感動と問いかけを与えるストーリー
辻村深月さんの『傲慢と善良』は、婚約者の失踪という謎を追う中で、恋愛や結婚、家族の在り方までを深く考えさせられる作品でした。事件の真相だけでなく、現代人が直面する「本当の幸せとは何か」が浮き彫りになっていきます。
読み進めるうちに、主人公の心の揺れや、相手を信じることの難しさに強く共感しました。とくに、相手のためと思っていた行動が、実は自分のエゴだったかもしれないという気づきにはハッとさせられました。
単なる恋愛小説ではなく、人との向き合い方を問う社会派ミステリーとして心に残る一冊でした。丁寧に描かれる心理描写がとても印象的でした。
マスカレード・ゲーム(東野 圭吾)
東野圭吾氏の『マスカレード・ゲーム』は、シリーズ累計495万部を突破した「マスカレード」シリーズの最新作です。警視庁捜査一課の新田浩介は、解決の糸口すらつかめない3つの殺人事件を捜査していました。被害者たちは皆、過去に人を死なせた経歴を持ち、殺害方法も共通しています。捜査を進めるうちに、被害者たちを憎む過去の事件の遺族らがホテル・コルテシア東京に宿泊することが判明します。警部となった新田は、複雑な思いを抱えながら再び潜入捜査を開始します。ホテルのフロントクラーク・山岸尚美と再びコンビを組み、事件の真相に迫ります。
- 警視庁捜査一課の新田浩介とホテル・コルテシア東京のフロントクラーク・山岸尚美が再びタッグを組み、複雑な事件に挑む点
- 過去の事件の遺族が集うホテルでの潜入捜査という緊迫感あふれるシチュエーション
- 人間関係の複雑さや心理描写が巧みに描かれ、読者を物語に引き込む展開
東野圭吾さんの『マスカレード・ゲーム』は、シリーズらしいスリルと人間ドラマがぎっしり詰まっていて、とても引き込まれました。過去の事件に向き合う遺族たちが同じホテルに集まり、それぞれの思惑が交差する展開に、ページをめくる手が止まりませんでした。
新田と山岸のコンビも健在で、仕事に対する真摯な姿勢や信頼関係が前作よりも深まっているように感じました。ホテルという閉ざされた空間が舞台なので、緊張感がより高まり、登場人物一人ひとりの行動から目が離せませんでした。
犯人の動機や背景が明かされた時には、驚きと共に切なさも残りました。読み応えのある一冊で、シリーズファンにも初めて読む人にもおすすめです。
英雄の悲鳴 ラストライン7(堂場 瞬一)
堂場瞬一氏の『英雄の悲鳴 ラストライン7』は、警察小説シリーズ「ラストライン」の第7弾です。主人公の岩倉剛は、警察庁からの出向で神奈川県警に勤務する刑事です。ある日、横浜市内で発生した連続殺人事件の捜査を担当することになります。被害者はすべて社会的に高い評価を受けていた人物で、現場には「英雄の悲鳴」と書かれたメッセージが残されていました。岩倉は、事件の背後に潜む真実を追い求め、複雑に絡み合う人間関係や過去の因縁に立ち向かいます。緻密なストーリー展開とリアルな警察描写が魅力の一冊です。
- 連続殺人事件の被害者が社会的評価の高い人物であり、現場に残された「英雄の悲鳴」というメッセージが事件の謎を深めている点
- 主人公・岩倉剛が複雑に絡み合う人間関係や過去の因縁に立ち向かい、事件の真相を追求する姿が描かれている点
- 緻密なストーリー展開とリアルな警察描写が、読者を物語に引き込む要素となっている点
堂場瞬一さんの『英雄の悲鳴 ラストライン7』は、シリーズの中でも特に心に残る一冊でした。連続殺人事件の背景にある「正義」と「過去の罪」の対比が重く、それぞれの登場人物の言動に深い意味が感じられました。
主人公・岩倉剛の静かな情熱と冷静な推理は、刑事としての信念を強く感じさせます。捜査が進むごとに見えてくる被害者たちの裏の顔に、読んでいてゾッとする瞬間もありました。
ラストに向かう展開は緊張感が途切れず、どんでん返しもありました。社会派ミステリーとしての側面もあり、読後には考えさせられるテーマが残る、読み応えのある一冊でした。
高宮麻綾の引継書(城戸川 りょう)
城戸川りょう氏の『高宮麻綾の引継書』は、入社3年目の高宮麻綾が主人公の企業小説です。彼女は精魂込めて作り上げた新規事業が、親会社のリスク回避を理由に潰されてしまいます。納得できない麻綾は、怒りを爆発させ、社内外を奔走しながら「リスク」の実態を調査し始めます。忖度や義理、出世といった企業文化に翻弄されながらも、麻綾は自らの仕事への情熱と信念を貫こうと奮闘します。現代の企業社会における若手社員の葛藤と成長を描いた、痛快なサラリーマン小説です。
- 主人公・高宮麻綾の情熱と行動力が、読者に爽快感を与える点
- 企業内の複雑な人間関係や組織の理不尽さがリアルに描かれている点
- 仕事に対する情熱や信念の大切さを再認識させられる点
城戸川りょうさんの『高宮麻綾の引継書』は、企業の理不尽な構造と真っ向から向き合う若手社員の姿に胸を打たれました。自分の仕事に誇りを持ちながらも、上層部の都合で成果を否定される麻綾の悔しさに共感し、ページをめくる手が止まりませんでした。
社内のしがらみや遠回しな圧力に対して、真っ直ぐに疑問を投げかけていく麻綾の姿勢は、現代の働き方を見つめ直すきっかけにもなりました。感情に流されず、冷静に調査を重ねていく展開も非常にスリリングでした。
物語を通して、仕事に必要なのはスキルだけでなく、信念を貫く覚悟だと感じました。働くすべての人に読んでほしい一冊です。
近畿地方のある場所について(背筋)
背筋氏の『近畿地方のある場所について』は、オカルト雑誌の編集者である小沢が行方不明となったことから始まるモキュメンタリー・ホラー小説です。彼が失踪前に取材していた「●●●●●」という地域にまつわる怪談を追うため、過去の雑誌記事や読者からの体験談、インターネット掲示板の書き込みなど、彼が収集していた資料を読み解いていきます。一見無関係に思えるこれらの怪談が、次第に共通の糸で結ばれていることが明らかになり、読者は深い恐怖と謎解きの魅力に引き込まれていきます。
- オカルト雑誌編集者の失踪を追う中で、複数の怪談が一つの真相に繋がる緻密なストーリー展開
- 過去の雑誌記事、読者の体験談、ネット掲示板の書き込みなど、多様な資料を駆使したリアルな描写
- 読者の知的好奇心を刺激し、謎解きの楽しさと恐怖を同時に味わえるモキュメンタリー・ホラーの魅力
背筋さんの『近畿地方のある場所について』は、読み進めるうちにじわじわと恐怖が迫ってくるような不思議な読後感がありました。怪談の断片が少しずつ繋がり、最後には一つの像を結ぶ構成がとても巧みで、ページをめくる手が止まりませんでした。
物語はフィクションであるはずなのに、実在する地域のような描写が多く、現実と虚構の境界が曖昧になっていく感覚が怖さを倍増させました。資料や証言のかたちで物語が進行するため、まるで自分も調査に加わっているような没入感がありました。
読後には背筋がぞわっとする余韻が残りました。ホラーが苦手な人でも、謎解きとして楽しめる一冊だと思います。
変な家2 ~11の間取り図~(雨穴)
雨穴の『変な家2 ~11の間取り図~』は、前作に続く不動産ミステリー小説です。フリーライターの筆者と設計士・栗原が再びタッグを組み、不可解な間取りの謎に挑みます。物語は11の奇妙な間取りを巡るエピソードで構成されており、「行先のない廊下」「闇をはぐくむ家」「林の中の水車小屋」など、各章ごとに異なる謎が展開されます。これらの間取りに隠された秘密を解き明かす過程で、二人は驚くべき真実に直面します。すべての謎が一つにつながったとき、読者は戦慄の結末を迎えることでしょう。
- 11の不可解な間取り図を通じて展開されるミステリーが、読者の好奇心を刺激します。
- フリーライターと設計士のコンビが謎解きに挑むストーリーが、前作からのファンにも新鮮な驚きを提供します。
- 各間取りの謎が一つにつながるクライマックスで、予想外の展開が待ち受けています。
雨穴さんの『変な家2 ~11の間取り図~』は、前作以上に想像力をかき立てられる内容でした。一見すると普通に見える間取り図の裏に、恐ろしい秘密が隠されている展開にワクワクしながら読み進めました。読みながら「この部屋、何か変だな」と自分でも推理したくなる構成がとても楽しかったです。
特に印象に残ったのは、水車小屋の話や“窓のない寝室”の謎で、どれも日常に潜む違和感がじわじわと恐怖に変わっていく演出が見事でした。設計士・栗原の冷静な視点と筆者の驚きが良いバランスで、読者も一緒に謎を追いかけている気分になれました。
最後にすべての話がつながった瞬間は、本を閉じた後もしばらく考え込んでしまうほど衝撃的でした。日常のすぐ隣にある“非日常”を体験できる傑作です。
【目的別】とにかく面白いミステリー小説
ここでは、目的別でのとにかく面白いミステリー小説を厳選!
読み手の好みや気分に合わせて楽しめる、目的別に厳選されたミステリー小説を紹介します。
気軽に読める作品から、衝撃の展開に引き込まれる一冊まで幅広く取り上げています。
(上をクリックすると、読みたいミステリー小説から読み始められます)
初心者向け!読みやすいミステリー小説5選
まず、初心者向け!読みやすいミステリー小説5選についてです。
- 神様ゲーム(麻耶 雄嵩)
- 僕の殺人計画(やがみ)
- 再愛なる聖槍(由野 寿和)
- 葉桜の季節に君を想うということ(歌野 晶午)
- そして誰もいなくなった(アガサ・クリスティー)
神様ゲーム(麻耶 雄嵩)
小学生の芳雄は、ある日「自分は神様だ」と名乗る鈴木という少年と出会います。鈴木は未来の出来事を言い当てる不思議な力を持ち、芳雄は彼と交流を深めていきます。そんな中、町で連続猫殺し事件が発生し、鈴木は犯人を特定できると告げます。芳雄は鈴木の力を信じ、事件解決に向けて行動を開始しますが、次第に予想外の事態に巻き込まれていきます。物語は少年たちの視点で進行し、読者を驚きの結末へと導きます。
- 少年と神様の奇妙な関係が織りなす独特のストーリー展開
- 予測不能な展開と巧妙な伏線が読者を引き込む
- 日常と非日常が交錯する世界観が魅力的
麻耶雄嵩さんの『神様ゲーム』は、小学生の視点で語られる物語の中に、不気味さと知的な面白さが詰まっていて、最後まで夢中で読みました。少年が「神様」と名乗る謎の少年と出会い、次々と起こる不可解な事件に巻き込まれていく展開はとてもスリリングでした。
登場人物の子どもらしい純粋さと、物語に潜む恐怖のギャップが印象的で、単なる子ども向けとは言えない奥深さがありました。物語の進行が早く、文章も読みやすいので、読書が苦手な方にもおすすめです。
特にラストのどんでん返しには驚かされました。ミステリー初心者でも楽しめる一方で、読み終わった後にもう一度読み返したくなるような構成の巧さが光る作品でした。
僕の殺人計画(やがみ)
出版社の編集者・立花涼は、推理小説を愛し、特に死や殺人のシーンに強い関心を持っています。ある日、彼のもとに匿名の小説原稿が届き、その内容は彼自身を主人公とし、作者が彼を殺すと予告するものでした。涼はこの挑戦的な内容に興奮し、作者を探し出す決意をします。しかし、調査を進めるうちに、彼の周囲で不可解な出来事が次々と起こり始め、現実とフィクションの境界が曖昧になっていきます。涼は自身の命を守るため、そして真実を明らかにするため、危険なゲームに身を投じていくのです。
- 読者の予想を覆す巧妙などんでん返しが随所に散りばめられ、最後まで緊張感が続きます。
- 主人公・立花涼の二面性がリアルに描かれ、物語に深みを与えています。
- 出版業界の裏側を垣間見ることができ、業界ミステリーとしての魅力も備えています。
やがみさんの『僕の殺人計画』は、ミステリー初心者の私でもすんなり入り込めるほど読みやすく、最後まで夢中になりました。編集者・立花涼のもとに届いた謎の小説原稿から始まる物語は、現実とフィクションが交錯する不気味な緊張感に包まれています。
ページをめくるごとに明かされる主人公の過去や、匿名の作者の意図が徐々に明らかになる展開は非常にスリリングでした。誰が嘘をついているのか、どこまでが現実なのかを自分で推理しながら読むのがとても楽しかったです。
文章は平易でテンポも良く、難しい言い回しもなく、普段あまり本を読まない人にもおすすめできる一冊です。読後には深い余韻と満足感が残りました。
再愛なる聖槍(由野 寿和)
由野寿和の『再愛なる聖槍』は、歴史と現代が交錯するミステリー小説です。物語は、考古学者の主人公が中世ヨーロッパの聖槍にまつわる謎を追う中で、次々と起こる不可解な事件に巻き込まれていく展開です。歴史的背景と現代のサスペンスが巧みに絡み合い、読者を引き込むストーリーが展開されます。歴史ミステリーが好きな方や、緻密なプロットを楽しみたい読者におすすめの一冊です。
- 緻密に構築された謎解きが読者を引き込む
- 登場人物の心理描写がリアルで共感を呼ぶ
- 予想外の展開が続き、最後まで飽きさせない
由野寿和さんの『再愛なる聖槍』は、ミステリー初心者の自分でも非常に読みやすく、ページをめくるたびに引き込まれていきました。物語の中心にある聖槍の謎がとても興味深く、歴史と現代が絶妙に絡み合った展開にワクワクしながら読み進めました。
登場人物の感情や動機が丁寧に描かれていて、それぞれの行動に納得しながら物語に没入できました。特に主人公の決断に胸を打たれ、物語が進むごとに感情移入が深まりました。
ミステリーとしての要素はしっかりありながら、文章は平易でテンポも良く、普段あまり小説を読まない方にもおすすめできる作品だと感じました。読後には爽やかな余韻が残りました。
葉桜の季節に君を想うということ(歌野 晶午)
私立探偵の成瀬将虎は、ある日、資産家の娘・美緒から恋人の素行調査を依頼されます。調査を進めるうちに、成瀬は恋人の過去に隠された秘密や、美緒の家族にまつわる複雑な事情を知ることになります。物語は、成瀬が真実を追求する中で、予想外の展開と驚きの結末へと導かれていきます。
- 巧妙な叙述トリックにより、読者の予想を覆す驚きの結末が待ち受けています。
- テンポの良いストーリー展開で、最後まで飽きずに読み進められます。
- 独特なキャラクター描写が物語に深みを与え、読者を引き込みます。
歌野晶午さんの『葉桜の季節に君を想うということ』は、読み終えたあとに何度もページをめくり返したくなるような衝撃が残る一冊でした。恋愛小説のようなやさしい語り口で始まりながら、いつの間にか本格的なミステリーへと姿を変えていく構成が見事でした。
登場人物の描き方がとても丁寧で、それぞれの背景や心の動きに引き込まれました。探偵・成瀬の視点で語られる物語は親しみやすく、ミステリー初心者でも迷わず読めました。
ラストで明かされる事実には、本当に驚かされました。読みやすさと奥深さを兼ね備えた傑作で、初めてミステリーを読む人にも強くおすすめできる作品です。
そして誰もいなくなった(アガサ・クリスティー)
アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』は、デヴォン州沖の孤島「兵隊島」に招待された男女10人が、過去の罪を告発され、童謡「十人の兵隊さん」の歌詞になぞらえて次々と殺害されていく物語です。招待主の姿は見えず、外部との連絡も絶たれた状況で、彼らは生き残りをかけて犯人を探し始めます。しかし、疑心暗鬼が広がる中、犠牲者は増え続け、ついには……。巧妙なプロットと緊迫感あふれる展開で、読者を最後まで引き込むミステリーの傑作です。
- 孤島という閉ざされた環境で展開される緊迫感あふれるストーリー
- 童謡になぞらえた巧妙な見立て殺人の手法
- 最後まで読者を惑わせる予測不可能な結末
アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』は、ミステリー初心者の私でも最後まで夢中になれるほど引き込まれました。孤島に集められた十人の登場人物が次々と命を落とす展開はスリリングで、まるで一緒にその場にいるような緊張感がありました。
童謡になぞらえた犯行手口がとても印象的で、次は誰がどんな方法で殺されるのかを考えながら読む楽しさがありました。登場人物それぞれが抱える秘密や過去も物語に深みを与えてくれました。
結末にたどり着いたときには、予想を大きく裏切られ、しばらく放心するほどの衝撃を受けました。文章は読みやすく、はじめてミステリーを読む人にも安心しておすすめできる作品です。
どんでん返しがとにかく面白いミステリー小説5選
続いて、どんでん返しがとにかく面白いミステリー小説5選についてです。
- 殺戮にいたる病(我孫子 武丸)
- 儚い羊たちの祝宴(米澤 穂信)
- さよならドビュッシー(中山 七里)
- 静おばあちゃんにおまかせ(中山 七里)
- 超短編! 大どんでん返し(アンソロジー)
殺戮にいたる病(我孫子 武丸)
東京の繁華街で連続して発生する猟奇的な殺人事件。犯人は蒲生稔という男で、彼は永遠の愛を得るために次々と女性を襲い、凌辱の末に惨殺していく。彼の行動と内面を追いながら、時代の悪夢と闇が鮮烈に描かれる。物語は驚愕の結末へと読者を導く。
- 三者の視点で描かれる物語が巧妙に交錯し、読者を引き込みます。
- 予想を覆す驚愕の結末が待ち受けており、最後まで目が離せません。
- 残虐な描写を通じて、登場人物の心理や背景が深く掘り下げられています。
我孫子武丸さんの『殺戮にいたる病』は、読み終えたあとに思わず最初のページに戻りたくなるほど衝撃を受けました。猟奇的な殺人が続くなかで、物語は淡々と進むのに、気づかないうちに深く心理的に揺さぶられていきます。
登場人物の視点や語り口がとても巧妙で、読み手の思い込みを逆手に取った構成が印象的でした。伏線も自然に散りばめられていて、ラストのどんでん返しには本当に驚かされました。
文章は平易で読みやすく、グロテスクな内容が苦手でなければミステリー初心者にも十分楽しめる作品だと思います。怖いだけではなく、読後の余韻がとても深い作品でした。
儚い羊たちの祝宴(米澤 穂信)
『儚い羊たちの祝宴』は、米澤穂信による短編集です。本作は、上流階級の子女が集う「バベルの会」を共通のテーマとして、五つの物語が展開されます。各話では、華やかな社交界の裏に潜む人間の欲望や欺瞞が描かれ、予想外の結末が待ち受けています。優雅な筆致で綴られる物語は、読者を魅了し、最後には驚きと余韻を残します。
- 五つの短編から成る連作ミステリーで、それぞれに巧妙などんでん返しが仕掛けられている点。
- 上流階級の女性たちの優雅な世界を描きながら、その裏に潜む闇を浮き彫りにするストーリー展開。
- 各短編が独立しつつも、全体として一つの大きな謎に収束していく構成の妙。
米澤穂信さんの『儚い羊たちの祝宴』は、静かな語り口の中に強烈などんでん返しが潜んでいて、一話ごとに衝撃を受けました。特に最後の一編で、すべての話がつながる仕掛けに鳥肌が立ちました。
上流階級の女性たちの優雅な生活の裏にある違和感がじわじわと広がり、読み進めるほどに不穏さが募っていきます。短編集でありながら、全体として見事な構成力を感じました。
文章が平易で、長編に比べて読みやすい点も初心者にぴったりです。美しく静かな文体と、緻密に計算された物語の落差がとても印象的でした。読後の余韻が長く残る一冊です。
さよならドビュッシー(中山 七里)
16歳の遥は、ピアニストを目指して日々練習に励んでいました。しかし、祖父と従姉妹と共に火事に巻き込まれ、全身に大火傷を負いながらも奇跡的に生還します。過酷なリハビリを経て、遥は再びピアノへの情熱を燃やし、コンクール優勝を目指して猛特訓を開始します。そんな中、周囲で次々と不吉な出来事が起こり、ついには殺人事件まで発生します。遥は困難を乗り越え、夢を叶えることができるのでしょうか。
- ピアニストを目指す16歳の少女・遥が、火事で全身に大火傷を負いながらも夢を追い続ける姿を描いた感動的なストーリーです。
- 物語の随所にドビュッシーやショパンなどの名曲が登場し、音楽の美しさが際立っています。
- 第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、選考委員からも高い評価を得た作品です。
中山七里さんの『さよならドビュッシー』は、音楽とミステリーが見事に融合した感動作でした。火災で家族を失い、大火傷を負った少女・遥がピアニストを目指す姿に胸を打たれました。リハビリやレッスンの描写がリアルで、思わず応援したくなります。
物語は順調に進んでいるように見えて、突然訪れる展開に息を呑みました。まさかの事実が明かされる終盤は、これまでの読書体験を覆されるような衝撃でした。
文章はとても読みやすく、クラシック音楽に詳しくなくても物語に入り込めます。ミステリーが好きな方だけでなく、成長物語を楽しみたい方にもおすすめできる一冊です。
静おばあちゃんにおまかせ(中山 七里)
警視庁捜査一課の新米刑事・葛城公彦は、難事件の捜査中に女子大生・高遠寺円から貴重な助言を受けることが多くなります。円の背後には、元裁判官である祖母・静の存在がありました。円は中学二年生の時に両親を交通事故で亡くし、以来、祖母と二人で暮らしています。静は円に法律や社会の正義について日々語りかけ、円自身も法律家を志すようになります。葛城と円、そして静おばあちゃんの三人が協力し、次々と難事件を解決していく痛快なミステリー連作です。
- 元裁判官の静おばあちゃんが、孫娘の円と共に難事件を解決する痛快なストーリー。
- 各話が独立した短編ながら、全体を通じて一貫したテーマが描かれており、読み応えがある。
- 法曹界の知識と日常生活のリアルな描写が融合し、ミステリー初心者でも楽しめる内容。
中山七里さんの『静おばあちゃんにおまかせ』は、ミステリーとしての面白さはもちろん、キャラクターの魅力にも惹かれました。静おばあちゃんの知識と冷静な判断力には、思わず感嘆してしまいます。孫の円とのやりとりも微笑ましく、読んでいて心が和みました。
一話ごとに完結する構成ですが、それぞれに小さなどんでん返しがあり、飽きずに読み進められました。難事件を理路整然と解き明かしていく様子は、とても爽快でした。
法律や裁判に関する描写が分かりやすく、専門知識がなくても安心して読めます。優しさと知性が溢れる物語で、幅広い世代におすすめできる一冊です。
超短編! 大どんでん返し(アンソロジー)
『超短編! 大どんでん返し』は、各作品が約4ページという短さで、最後に驚きの展開が待ち受けるショートショート集です。多彩な作家陣による30編が収録されており、短い時間で意外性のある物語を楽しむことができます。
- 各作品がわずか数ページで完結し、短時間で読めるため、忙しい日常の合間にも楽しめます。
- 多彩な作家陣による30編の作品が収録されており、さまざまな文体やテーマを味わうことができます。
- 各作品が予想外の結末を迎えるどんでん返しを特徴としており、読者に驚きと新鮮な読書体験を提供します。
『超短編! 大どんでん返し』は、少ないページ数ながらも想像以上にインパクトのある作品ばかりで、読んでいてとても楽しかったです。どの短編にも予想外の展開が待っていて、ページをめくる手が止まりませんでした。
特に最後の一行で印象が大きく変わる話が多く、うまく騙されたような感覚が心地よかったです。文章もわかりやすく、テンポよく進むので、気軽に読めるのも魅力でした。
電車の移動中やちょっとした隙間時間にぴったりで、ミステリーが苦手な方にも自信を持って勧められる一冊です。どんでん返しの面白さを気軽に味わいたい人にぴったりだと感じました。
海外で人気のとにかく面白いミステリー小説5選
続いて、海外で人気のとにかく面白いミステリー小説5選についてです。
- ネヴァー(ケン・フォレット)
- 検屍官(パトリシア・コーンウェル)
- メインテーマは殺人(アンソニー・ホロヴィッツ)
- 異常【アノマリー】(エルヴェ・ル・テリエ)
- ウィンダム図書館の奇妙な事件(ジル・ペイトン・ウォルシュ)
ネヴァー(ケン・フォレット)
ケン・フォレットの『ネヴァー』は、第三次世界大戦の勃発をリアルに描いた国際政治サスペンス小説です。物語は中央アフリカのチャド共和国から始まり、CIA工作員のタマラがテロリストの隠れ家とドラッグの密輸ルートを潜入捜査する同僚アブドゥルを支援する中で、世界的な危機が連鎖的に拡大していきます。
アフリカでの紛争が、米国、中国、北朝鮮などの大国を巻き込み、各国の指導者たちが自国の利益と面子を優先する中で、事態は急速に悪化します。特に、米国の女性大統領ポーリーン・グリーン、中国の対外情報局長チャン・カイ、CIA工作員タマラといった多彩なキャラクターが登場し、彼らの視点から緊迫した国際情勢が描かれます。
本作は、現代の国際関係や政治的駆け引きを背景に、些細な衝突がいかにして世界的な戦争へと発展するかを緻密にシミュレートしています。ケン・フォレットの緻密なリサーチと迫真の筆致が光る、手に汗握る一冊です。
- 世界各地で同時多発的に起こる危機的状況が、リアルに描かれています。
- 登場人物たちの複雑な人間関係と心理描写が、物語に深みを与えています。
- 現代社会の問題を背景にしたストーリーが、読者に強いメッセージを投げかけます。
ケン・フォレットさんの『ネヴァー』は、読み進めるごとに現実との境界が曖昧になるような感覚に陥りました。世界各国の政治的な駆け引きが巧みに描かれ、緊張感が途切れることなく続いていきます。小さな誤解や判断の積み重ねが、国際情勢をここまで追い詰めるのかと背筋が冷たくなりました。
登場人物たちは立場も国も違いますが、それぞれに信念があり、共感しながら読めました。特に女性大統領の冷静さと葛藤には心を打たれました。
文章は重厚ですが読みやすく、ミステリーというよりもサスペンスや政治劇としての完成度が非常に高い作品でした。読後は深い余韻とともに、現実の国際問題についても考えさせられました。
検屍官(パトリシア・コーンウェル)
アメリカ・バージニア州リッチモンドで、若い女性が惨殺される事件が発生します。州検屍官ケイ・スカーペッタは、事件の真相を解明するため、最新の科学技術を駆使して捜査に挑みます。しかし、捜査が進むにつれ、スカーペッタ自身も危険にさらされていきます。緊迫感あふれる展開と、詳細な法医学描写が魅力のサスペンス小説です。
- 主人公ケイ・スカーペッタが最新の科学技術を駆使して難解な事件に挑む姿が描かれています。
- リアルな法医学描写と緻密なプロットが、読者を物語の世界に引き込みます。
- シリーズを通じて、ケイの成長や人間関係の変化が丁寧に描かれ、キャラクターへの感情移入が深まります。
パトリシア・コーンウェルさんの『検屍官』は、息が詰まるような緊張感と、リアルな描写に圧倒されました。ケイ・スカーペッタの冷静な判断力と信念に満ちた行動に引き込まれ、ページをめくる手が止まりませんでした。
法医学という専門的な題材でありながら、言葉はわかりやすく、物語に集中できました。被害者の無念を晴らそうとするケイの姿に強く共感し、読み終えた後には達成感すら感じました。
殺人の真相に迫っていく過程はスリルに満ちていて、結末は予想以上の驚きでした。初めての海外ミステリーとしても十分に読みやすく、濃厚な物語を体験したい方にはぴったりです。
メインテーマは殺人(アンソニー・ホロヴィッツ)
アンソニー・ホロヴィッツの『メインテーマは殺人』は、著者自身を登場人物として描くユニークなミステリー小説です。物語は、裕福な女性ダイアナ・カウパーが自らの葬儀を手配した数時間後に自宅で殺害される事件から始まります。元刑事で現在は警察のコンサルタントを務めるダニエル・ホーソーンは、この事件の捜査を担当し、作家のホロヴィッツに自身の捜査を記録する本を書くよう依頼します。ホロヴィッツは当初ためらいますが、最終的に協力することを決意し、二人は共に事件の真相を追います。捜査が進むにつれ、ダイアナの過去の秘密や関係者たちの複雑な事情が明らかになり、予測不能などんでん返しが読者を待ち受けています。
- 作者自身が登場し、実在の作家生活とフィクションが交錯する独特の語り口。
- 元刑事ホーソーンと作家ホロヴィッツの凸凹コンビが織りなす、古典的な探偵とワトソン役の関係性。
- 資産家の婦人が自らの葬儀を手配した当日に絞殺されるという、読者の興味を引く謎めいた事件設定。
アンソニー・ホロヴィッツさんの『メインテーマは殺人』は、現実と物語の境界が揺らぐような感覚があり、読んでいてとても新鮮でした。作中に登場する作家が実在のホロヴィッツさん自身という設定がユニークで、読者としても物語に深く入り込めます。
事件の謎も非常に緻密で、何気ない描写が後々重要になる構成には驚かされました。被害者の行動や言葉の裏にある意味を考えながら読む楽しさがありました。
元刑事ホーソーンと作家ホロヴィッツの掛け合いも面白く、シリアスな展開の中にクスッと笑える場面があるのも魅力です。知的で巧妙なミステリーが好きな方におすすめしたい一冊です。
異常【アノマリー】(エルヴェ・ル・テリエ)
エルヴェ・ル・テリエの『異常【アノマリー】』は、異なる背景を持つ人々が同じ飛行機に乗り合わせたことで始まる物語です。アフリカ系アメリカ人の弁護士ジョアンナ、家庭的な殺し屋ブレイク、突如脚光を浴びるフランスの作家ミゼルなど、多彩な登場人物が登場します。彼らが搭乗したエールフランス006便は、ニューヨークへの降下中に異常な乱気流に巻き込まれます。約3カ月後、同じ便が再びニューヨークに到着し、そこには以前と同じ乗客たちが乗っていました。この不可解な出来事をきっかけに、彼らの人生は大きく変わっていきます。
- フランス文学最高峰のゴンクール賞を受賞し、フランス国内で110万部を突破した話題作です。
- 多彩な登場人物が織りなす群像劇で、各キャラクターの個性的な背景や葛藤が丁寧に描かれています。
- 「シミュレーション仮説」などの哲学的テーマを取り入れ、人間存在や自己認識について深く考えさせられる内容となっています。
『異常【アノマリー】』は、最初から最後まで想像を超える展開の連続で、読み終えたあともしばらく余韻が残りました。登場人物のそれぞれに異なる人生があり、その描き方がとても丁寧で共感しながら読めました。
同じ人間が同時に二人存在するという不思議な出来事に、科学者や宗教家、政治家がどう向き合うかの描写も興味深かったです。物語は静かに進む場面もありますが、その分読者の想像力を刺激されます。
ただのミステリーではなく、生きる意味や自分という存在について考えさせられる深い一冊でした。普段ミステリーを読まない人にもぜひ手に取ってほしい作品です。
ウィンダム図書館の奇妙な事件(ジル・ペイトン・ウォルシュ)
ケンブリッジ大学の貧しい学寮、セント・アガサ・カレッジにあるウィンダム図書館で、奨学生フィリップ・スケローが血の海の中で死亡しているのが発見されます。学寮付き保健師のイモージェン・クワイは、警察の捜査に協力し、事件の真相解明に乗り出します。同時期に、古書収集家の老教授ワイリーの貴重な蔵書が消失し、さらに教授自身も行方不明となります。これらの出来事が関連しているのか、イモージェンは冷静な洞察力と推理力で複雑に絡み合う謎に挑みます。
- ケンブリッジ大学の架空のカレッジ、セント・アガサ・カレッジを舞台にした、知的で魅力的な設定。
- 大学の保健師イモージェン・クワイが探偵役を務める、ユニークな視点からのミステリー。
- 17世紀の寄贈図書館「ウィンダム・ケース」での殺人事件を巡る、巧妙に練られたプロットと意外な展開。
『ウィンダム図書館の奇妙な事件』は、英国らしい雰囲気に満ちた知的なミステリーでした。歴史ある大学を舞台に、古書と殺人が交差するストーリーに一気に引き込まれました。事件の背後にある人間関係や学内のしがらみもリアルで、登場人物たちがとても魅力的です。
保健師イモージェンの冷静で思慮深い視点から語られる展開が新鮮で、女性ならではの観察力が冴えわたります。推理ものとしての満足感もあり、結末も意外性がありました。
静かな筆致ながら緊張感を保ちつつ進む構成が心地よく、重厚さと読みやすさのバランスが絶妙です。本好きな方には特におすすめしたい作品です。
2025年最新のとにかく面白いミステリー小説5選
続いて、2025年最新のとにかく面白いミステリー小説5選についてです。
- 鑑定人 氏家京太郎(中山七里)
- どうせそろそろ死ぬんだし(香坂鱗)
- ヒポクラテスの困惑(中山七里)
- 准教授・高槻彰良の推察EX3(澤村御影)
- 世界でいちばん透きとおった物語2(杉井光)
鑑定人 氏家京太郎(中山七里)
中山七里の新作『鑑定人 氏家京太郎』は、2025年に刊行されたミステリー小説です。主人公の氏家京太郎は、卓越した鑑定技術を持つ美術鑑定人で、彼のもとにはさまざまな依頼が舞い込みます。ある日、著名な画家の未発表作品が発見され、その真贋を巡る依頼が氏家に寄せられます。鑑定を進める中で、作品に隠された秘密や過去の事件が浮かび上がり、氏家は真実を追求するために奔走します。美術界の裏側や人間模様を巧みに描き出し、読者を最後まで引き込む展開が魅力の一冊です。
- 中山七里が描く新たな主人公、氏家京太郎の登場
- 美術品鑑定の世界を舞台にした独特のミステリー
- 巧妙に張り巡らされた伏線と予測不能などんでん返し
『鑑定人 氏家京太郎』は、美術品という知的な題材を軸に展開するミステリーで、非常に引き込まれました。主人公の氏家が放つ冷静で論理的な視点が心地よく、事件解決の過程で少しずつ真実に近づいていく流れに緊張感がありました。
鑑定を通じて明かされていく人間の欲望や過去の秘密がとてもリアルで、物語に深みを与えています。登場人物の背景もしっかり描かれていて、感情移入しやすかったです。
美術に詳しくなくても十分楽しめる内容で、知識が自然に身につく点も好印象でした。読み終えた後には、静かな感動と余韻が残る作品です。
どうせそろそろ死ぬんだし(香坂鱗)
香坂鱗の『どうせそろそろ死ぬんだし』は、人生の終焉を迎えつつある主人公が、残された時間をどう生きるかを模索する物語です。主人公は、これまでの人生を振り返りながら、未解決の問題や過去の過ちに向き合います。限られた時間の中で、人間関係の修復や新たな挑戦を試みる姿が描かれています。人生の意味や死生観について深く考えさせられる一冊です。
- 余命宣告を受けた人々が集まる山荘での交流会という独特な設定が、物語に深みを与えています。
- 探偵・七隈と助手・律の軽妙な掛け合いが、緊張感のあるストーリーにユーモアを添えています。
- 予測不能などんでん返しが随所に散りばめられ、読者を最後まで引き込む展開が魅力です。
余命宣告を受けた人々が集まる山荘という設定に惹かれて読み始めましたが、想像以上に心を動かされました。どの登場人物もリアルで、人生の最期に何を思い、何を選ぶのかという問いが胸に迫ってきます。
探偵の七隈と助手の律の会話はテンポが良く、重くなりがちなテーマの中でも読者を和ませてくれました。ミステリーとしても見応えがあり、最後のどんでん返しには驚かされました。
人の弱さや強さ、そして生きる意味に静かに向き合える物語で、一気に読んでしまいました。読後には温かい余韻が残ります。
ヒポクラテスの困惑(中山七里)
2020年4月、新型コロナウイルスが猛威を振るう中、ある富豪が感染し急逝します。しかし、彼は未承認のワクチンを秘密裏に入手していたことが判明。法医学者・光崎藤次郎と研修医・栂野真琴は、この不可解な死の真相を解明するために立ち上がります。感染症の恐怖と人間の欲望が交錯する中、二人は真実に迫ることができるのでしょうか。
- 感染症という現代的なテーマに切り込んだ、リアリティあふれる医療ミステリーです。
- 冷静沈着な法医学者と真っ直ぐな研修医の対比が物語に深みを与えています。
- 倫理観や命の価値に揺さぶりをかけるストーリー展開が、読後にも強い印象を残します。
感染症と人間の欲望をテーマにした『ヒポクラテスの困惑』は、読んでいて背筋が寒くなるような現実味がありました。ウイルスの影響だけでなく、それに絡む政治や金の動きが丁寧に描かれ、緊迫した空気に圧倒されました。
光崎と栂野のコンビは相変わらず絶妙で、冷静さと情熱のバランスが物語をうまく支えています。正義とは何かを問い直される場面も多く、考えさせられました。
ミステリーでありながら社会派ドラマのような一面もあり、読み応えは十分です。今読むべき一冊だと強く感じました。
准教授・高槻彰良の推察EX3(澤村御影)
澤村御影の『准教授・高槻彰良の推察EX3』は、民俗学者である高槻彰良准教授と助手の深町尚哉が、各地に伝わる不思議な現象や伝承の謎を解き明かすシリーズの特別編です。本作では、二人が新たな怪異に挑み、隠された真実を探求します。高槻の豊富な知識と尚哉の直感が組み合わさり、読者を魅了するミステリーが展開されます。日常に潜む不可解な出来事を解決する過程で、二人の絆や成長も描かれ、物語に深みを与えています。シリーズファンはもちろん、初めて読む方にも楽しめる一冊です。
- 高槻彰良准教授と助手の深町尚哉が、日常に潜む不思議な事件を解明するシリーズの第3弾です。
- 各エピソードが独立しており、短編形式で読みやすく、ミステリー初心者でも楽しめます。
- 民俗学的な視点からのアプローチが新鮮で、知的好奇心を刺激されます。
民俗学をテーマにしたミステリーは珍しく、読んでいてとても新鮮でした。准教授の高槻が語る伝承や風習には、物語の中とは思えないほどの説得力があり、知識も自然と身につきます。
助手の深町とのやり取りはテンポが良く、緊張感のある展開の中でもクスッと笑える場面がありました。短編ごとの構成なので、少しずつ読めるのも魅力です。
特に印象に残ったのは、最後の事件で描かれる人間の弱さと優しさです。怖さと温かさが共存した、不思議で心に残る一冊でした。
世界でいちばん透きとおった物語2(杉井光)
新人小説家の藤阪燈真は、博識な編集者・霧子と共に、ある作家コンビの未完の連載小説「殺導線の少女」の続きを探ることになります。この作品は、プロット担当の作家が急逝したため未完となっており、二人は遺された手がかりを元に物語の結末を解明しようとします。調査を進める中で、作中作「殺導線の少女」自体が謎を呼ぶ展開となり、燈真と霧子はその真相に迫っていきます。ビブリオ・ミステリとして、文学作品の深層に隠された秘密を解き明かす物語です。
- 新人作家・藤阪燈真と編集者・霧子のコンビが、作家コンビの未完の連載作品の続きを探る過程で展開されるビブリオ・ミステリー。
- 作中作「殺導線の少女」が物語内で重要な役割を果たし、読者もその続きを知りたくなる構成。
- 前作『世界でいちばん透きとおった物語』の続編として、前作を超える驚きと感動を提供する作品。
前作の衝撃が忘れられずに手に取った続編でしたが、期待以上の読後感に包まれました。藤阪燈真と霧子の関係性がより深まり、人間味が増している点に惹かれました。
未完の物語を追うという構成が斬新で、作中作の「殺導線の少女」に込められた謎も巧みに描かれています。次第に明らかになる真実が切なく、心に残りました。
言葉の選び方がとても繊細で、物語に引き込まれていく感覚が心地よかったです。読書好きにとってたまらない魅力が詰まった一冊です。
史上最高のトリックが体感できるミステリー小説5選
そして、史上最高のトリックが体感できるミステリー小説5選についてです。
- 屍人荘の殺人(今村昌弘)
- ロートレック荘事件(筒井康隆)
- 占星術殺人事件 改訂完全版(島田荘司)
- 楽園とは探偵の不在なり(斜線堂有紀)
- 密室偏愛時代の殺人 閉ざされた村と八つのトリック(鴨崎暖炉)
屍人荘の殺人(今村昌弘)
大学のミステリ愛好会に所属する葉村譲と会長の明智恭介は、同じ大学の探偵少女・剣崎比留子と共に、映画研究部の夏合宿に参加するため、ペンション紫湛荘を訪れます。合宿初日の夜、メンバーたちは肝試しに出かけますが、予期せぬ事態に遭遇し、紫湛荘に立て籠もることを余儀なくされます。翌朝、部員の一人が密室で惨殺された姿で発見され、連続殺人の幕が上がります。極限状態の中、葉村、明智、比留子は生き残りをかけて謎解きに挑みます。
- 伝統的なクローズド・サークル設定に新たな要素を融合させた斬新なストーリー展開
- 巧妙に張り巡らされた伏線と予測不能なトリックが読者を引き込む
- 個性的なキャラクターたちの掛け合いが物語に深みを与えている
今村昌弘の『屍人荘の殺人』を読了しました。物語は、神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と明智恭介が、探偵少女・剣崎比留子と共に映画研究部の夏合宿に参加するため、ペンション紫湛荘を訪れるところから始まります。しかし、想像を超える事態が発生し、一同はペンション内に閉じ込められてしまいます。
この作品は、伝統的なクローズドサークルの設定に新たな要素を加え、独自の世界観を築いています。予想外の展開が続き、ページをめくる手が止まりませんでした。特に、ゾンビの特性を活かした密室殺人の謎解きには驚かされました。
登場人物たちの個性も際立っており、特に探偵役の剣崎比留子のキャラクターが魅力的でした。文章も軽妙で読みやすく、緊迫した状況の中にもユーモアが感じられます。ミステリーとパニックホラーが見事に融合された、非常に完成度の高い作品だと感じました。
ロートレック荘事件(筒井康隆)
夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まりました。ロートレックの作品に彩られたその館で、優雅なバカンスが始まるかに見えましたが、突如として美女たちが次々に殺害される事件が発生します。この不可解な連続殺人により、館は恐怖と混乱に包まれます。史上初のトリックで読者を迷宮へ誘う、前人未到のメタ・ミステリーです。
- 巧妙な叙述トリック:物語は独特の語り口で進行し、読者は意外な真相に驚かされます。
- 緻密な伏線とその回収:随所に散りばめられた伏線が、終盤で見事に回収され、読後の満足感を高めます。
- ロートレックの絵画との関連性:作中に登場するロートレックの絵画が、物語の雰囲気やテーマと深く結びついています。
『ロートレック荘事件』を読んで、まず感じたのは物語の巧妙な構成と緻密なトリックです。
最初は登場人物の多さや関係性に少し戸惑いましたが、読み進めるうちにその複雑さが物語の深みを増していることに気づきました。特に、叙述トリックの使い方が見事で、途中で違和感を覚えつつも、最後の種明かしで全てが繋がる感覚は圧巻でした。また、ロートレックの絵画が挿入されていることで、物語の雰囲気が一層引き立てられ、視覚的にも楽しめました。
ただ、ミステリーに慣れている読者であれば、トリックに気づく可能性もあるかもしれませんが、それでも十分に楽しめる作品だと思います。全体的に、筒井康隆氏の筆力と独特の世界観に引き込まれ、読後の満足感が高い一冊でした。
占星術殺人事件 改訂完全版(島田荘司)
1936年、画家の梅澤平吉が自宅の密室で殺害される事件が発生します。現場には、6人の若い女性から星座に対応する体の部位を切り取り、理想の女性「アゾート」を創造するという奇妙な遺書が残されていました。その後、梅澤の6人の娘たちが各々の部位を切断された状態で発見されます。事件は迷宮入りとなりますが、探偵の御手洗潔がこの難事件に挑みます。
- 巧妙な密室トリックと独創的な殺人計画が描かれており、読者を最後まで引き込む構成になっています。
- 御手洗潔シリーズの第一作として、個性的で魅力的な探偵像が確立されています。
- 戦前の日本を舞台にした独特の雰囲気と、占星術を絡めたミステリアスな設定が物語に深みを与えています。
戦前の日本を舞台にした不気味な密室殺人と、星座にまつわる奇妙な殺害方法がとても印象に残りました。犯人の計画と遺書の内容があまりに異様で、読み進めるほどに恐怖と好奇心が高まっていきます。
探偵・御手洗潔の登場により、物語は一気に本格推理の様相を見せ、次々に明かされる伏線に驚かされました。過去と現在が織りなす展開にも引き込まれました。
最後の真相には本当に鳥肌が立ちました。ミステリーを読み慣れている人でもきっと騙されるほどの完成度で、読後はしばらく放心するほど衝撃を受けました。
楽園とは探偵の不在なり(斜線堂有紀)
二人以上の殺人を犯した者が即座に天使によって地獄へ引きずり込まれる世界で、探偵の青岸焦は大富豪・常木王凱から「天国の存在を知りたくないか」と誘われ、天使が集まる孤島・常世島を訪れます。そこで青岸を待っていたのは、起こるはずのない連続殺人事件でした。過去に悲惨な出来事を経験した青岸は、事件の調査を開始しますが、犯人はなぜ、どのように地獄に堕ちずに殺人を続けているのか。孤島と館を舞台にした本格ミステリ長編です。
- 仏教国を舞台にした独特の世界観と、緻密に構築されたミステリーが魅力です。
- 探偵不在の状況で展開される、意外性に富んだストーリーが読者を引き込みます。
- 人間の心理や社会的テーマを巧みに織り交ぜた深みのある物語が特徴です。
仏教国という特異な舞台設定に最初は驚きましたが、読み進めるうちにその世界観にどんどん引き込まれていきました。宗教や哲学的なテーマも散りばめられながら、物語はスムーズに展開していきます。
探偵が登場しないという構成も新鮮で、読者自身が真相に迫る感覚が味わえました。登場人物の内面も丁寧に描かれていて、感情移入しやすいです。
結末に近づくにつれて、意外性と緻密さが交差するトリックに驚かされました。読み終わったあとも余韻が残り、もう一度最初から読み返したくなる一冊です。
密室偏愛時代の殺人 閉ざされた村と八つのトリック(鴨崎暖炉)
鴨崎暖炉の『密室偏愛時代の殺人 閉ざされた村と八つのトリック』は、孤立した村で起こる連続殺人事件を描いたミステリー小説です。主人公の探偵が、村に隠された秘密と複雑に絡み合う人間関係を解き明かしながら、巧妙に仕組まれた八つの密室トリックに挑みます。読者は、緻密に構成された謎解きと意外な真相に引き込まれることでしょう。
- 閉ざされた村を舞台にした、八つの巧妙な密室トリックが織りなす緻密なストーリー。
- 登場人物たちの複雑な人間関係が、事件の謎を一層深める。
- 予測不可能な展開と驚愕の結末が、読者を最後まで引き込む。
八つの密室トリックが次々と展開する構成に驚きました。特に舞台となる村の閉塞感と不穏な空気が、じわじわと緊張感を高めてくれます。どの事件も個性的で、ただのパズルではなく人間ドラマとしても楽しめました。
キャラクター同士のやりとりが生き生きとしていて、それぞれに秘密があるように思えて読み進める手が止まりません。読者の予想を裏切る展開が多く、何度も「まさか」と声が出てしまいました。
本格ミステリーが好きな方だけでなく、物語の奥行きを重視する読者にもぜひおすすめしたい一冊です。
なぜ人は「とにかく面白いミステリー小説」を求めるのか
ここまで、とにかく面白いミステリー小説を厳選して紹介してきました。
ここで気になるのが、なぜ人は「とにかく面白いミステリー小説」を求めるのか、ということ。
それは、読者がミステリー小説に魅了される理由は、人それぞれに異なる「楽しみ方」があるからです。
その具体的なとにかく面白いミステリー小説を求める理由についても深掘りして解説します。
【理由1】謎解きのスリルを味わいたいから
予想外の展開や犯人当ての興奮を楽しめる点が、ミステリー小説の最大の魅力です。特に謎解きのプロセスには、読者自身が登場人物とともに真相へ近づいていくような感覚があります。
この体験こそが、読後の達成感や爽快感につながるのです。さらに、緻密に仕掛けられたトリックや伏線が明かされた瞬間には、思わずうなってしまうほどの驚きが訪れます。
読者は「見破れたかも」と感じた瞬間に快感を覚え、次の作品を求めて手を伸ばすようになります。日常から少し離れた刺激が欲しいとき、謎解きのスリルが詰まった一冊が心を満たしてくれるのです。
【理由2】意外な展開に驚きを感じたいから
驚きの展開を求めてミステリー小説を読む人は多く、先の読めないストーリー展開こそが読書の醍醐味です。結末が予測できない作品ほど、読者の興味を引きつける力があります。
物語が進むにつれて張り巡らされた伏線が鮮やかに回収される瞬間は、思わず声が出るほどの衝撃と快感を与えてくれます。読者はその意外性に満ちた展開に夢中になり、最後までページをめくる手が止まりません。
ミステリー小説は単なる謎解きではなく、感情を揺さぶる“体験”を味わえるジャンルです。想像を裏切る結末を体感したい人にこそおすすめです。
【理由3】日常のストレスを解消したいから
忙しい毎日の中で、現実から少し離れた世界に浸ることで心がリフレッシュされます。特にミステリー小説は、非日常の緊張感や謎解きの快感を楽しむことで、現実の悩みを一時的に忘れさせてくれます。
ストーリーに没頭することで、まるで自分も事件の一部になったような気分を味わえます。読み進めるたびに訪れる展開の変化は、刺激的で気分転換に最適です。
ストレスがたまっているときこそ、頭をリセットできるような面白いミステリー作品に出会うことが、心の安定につながる大切な時間となります。
【理由4】非日常の世界を体験したいから
日常から抜け出したような感覚を味わえる点が、ミステリー小説の大きな魅力です。特に事件現場や謎に満ちた舞台設定は、現実にはありえない展開を通して読者を異世界へと引き込みます。
読者は登場人物の視点を通じて、殺人事件や陰謀など非日常的な出来事を追体験します。手に汗握るシーンや驚きの真相に触れることで、読後には高揚感と満足感が残ります。
現実では決して体験できない緊張や発見の連続が、ミステリー小説を読みたくなる大きな理由の一つです。息抜きや刺激を求める方にとって理想的な読書体験となります。
【理由5】知的好奇心を満たしたいから
とにかく面白いミステリー小説は、読者の知的好奇心を刺激しながら物語を楽しませてくれます。複雑に絡み合うトリックや伏線を追うことで、まるでパズルを解くような感覚が味わえます。
特に登場人物の心理描写や動機に着目すると、表面だけではわからない人間の奥深さにも触れられます。先の展開を予測しながら読み進めることで、自然と思考力や観察力も養われていきます。
ただの娯楽で終わらず、自分の頭で考える楽しさも与えてくれるため、知的な刺激を求める読者にこそミステリー小説はぴったりです。
読みたいとにかく面白いミステリー小説の失敗しない選び方
好みに合ったミステリー小説を見つけるには、作家やジャンル、話題性などいくつかの基準が役立ちます。
ここでは、読みたいとにかく面白いミステリー小説の失敗しない選び方をご紹介します。
【選び方1】著名なミステリー作家の作品を選ぶ
ミステリー小説を選ぶ際は、知名度の高い作家の作品を手に取るのが安心です。実績のある作家は、多くの読者を引きつけてきた構成力や文章力に優れています。
たとえば、東野圭吾や綾辻行人、アガサ・クリスティーの作品は、ストーリー展開が巧みで読み応えがあります。売れ続けている理由は、読者の期待を裏切らない完成度にあります。
初めて読む人でも理解しやすく、飽きずに読了できるため、読書習慣がない方にも向いています。安心して読める一冊を探しているなら、著名作家の作品から選ぶのがおすすめです。
【選び方2】話題の新刊や受賞作をチェックする
話題の新刊や受賞歴のある作品は、多くの読者に支持されているため、質の高いミステリー小説に出会える可能性が高いです。読者の評価やプロの審査を通過した実績が、信頼の証といえます。
たとえば、書店の売上ランキングや文学賞の受賞作、SNSでバズっているタイトルは、興味を引く内容や読後の満足度が高いと評判です。時代の流れやトレンドを反映したテーマも多く、飽きずに読み進められます。
新しい作品をチェックすることで、今注目されている作家や話題の展開をいち早く楽しむことができます。迷ったときは、話題性のある作品を選ぶと失敗しにくいです。
【選び方3】自分の好みに合ったジャンルを選ぶ
自分の読書スタイルに合ったジャンルを選ぶことで、ミステリー小説の面白さを最大限に楽しむことができます。興味のあるジャンルに絞ることで、物語への没入感が深まり、読後の満足度も高まります。
たとえば、緻密なトリックを楽しみたい方には本格推理、心理的な駆け引きを求めるならサスペンス、感動や人間ドラマも味わいたいならヒューマンミステリーがおすすめです。ジャンルによって展開や雰囲気が大きく異なるため、好みに合わせて選ぶことが重要です。
好きなジャンルを明確にすれば、選書に迷うことも減り、新たな名作との出会いにもつながります。興味のあるテーマを軸に探すと失敗が少なくなります。
【選び方4】読書レビューサイトの評価を確認する
読書レビューサイトの評価を確認することで、自分に合ったミステリー小説を効率よく見つけることができます。評価が高い作品は、多くの読者が満足した証でもあり、失敗が少ない選択肢となります。
たとえば「読書メーター」や「ブクログ」などでは、ユーザーの率直な感想や読みやすさの傾向もチェックできます。中にはネタバレなしで感情の動きを伝えているレビューもあり、購入前に内容の雰囲気を掴むことができます。
読者の声はとても参考になるため、評価を参考にすることで、読みたい一冊を見つける手助けになります。気になる作品は複数のサイトを比較して選ぶと安心です。
【選び方5】あらすじを読んで興味を引かれるものを選ぶ
ミステリー小説を選ぶ際は、あらすじを読んで心が動く作品を選ぶことが重要です。物語の入り口でワクワクを感じた作品は、読了後の満足度も高い傾向があります。
例えば、殺人事件の背後にある人間関係や隠された動機に触れる導入文は、読者の想像力を刺激します。登場人物の背景が描かれている作品は、物語への没入感を高めてくれます。
興味をそそるあらすじは、読むモチベーションを生み出します。購入前に複数の作品を見比べ、最も惹かれた一冊を選ぶと良い読書体験につながります。
【Q&A】とにかく面白いミステリー小説に関するよくある質問
最後にとにかく面白いミステリー小説に関するよくある質問をまとめました。
ミステリー小説を選ぶ際に迷った経験がある人は少なくありません。ここでは多くの読者が気になる疑問をわかりやすく解説します。
【質問1】推理小説の1位は何ですか?
推理小説の1位は、ランキングの基準や時期によって異なります。
例えば、2025年4月9日時点のAmazonのミステリー・サスペンス・ハードボイルド部門では、東野圭吾の『マスカレード・ゲーム』が1位となっています。また、2024年の国内ミステリー・SFランキングでは、雨穴の『変な家2 11の間取り図』が第1位に選ばれています。
これらの結果から、推理小説の人気は時期や評価基準によって変動することがわかります。そのため、最新のランキングや個人の好みに応じて作品を選ぶことが重要です。
【質問2】おすすめの海外ミステリー小説は?
海外ミステリー小説を選ぶ際、以下の作品がおすすめです。
- 『カササギ殺人事件』アンソニー・ホロヴィッツ著
アガサ・クリスティへのオマージュとして知られ、二重構造の巧妙なプロットが特徴です。日本でも高い評価を受けています。 - 『ドラゴン・タトゥーの女』スティーグ・ラーソン著
スウェーデン発のサスペンスで、ハッカーのリスベットとジャーナリストのミカエルが失踪事件の真相に迫ります。 - 『Xの悲劇』エラリー・クイーン著
元シェイクスピア俳優の探偵ドルリー・レーンが活躍する古典的名作です。 - 『スノーマン』ジョー・ネスボ著
ノルウェーの刑事ハリー・ホーレが連続殺人事件を追う、緊迫感あふれるストーリーです。 - 『オリエント急行の殺人』アガサ・クリスティ著
名探偵ポアロが豪華列車内で起こった殺人事件を解決する、不朽の名作です。
これらの作品は、それぞれ独自の魅力と緻密なプロットで読者を引き込みます。興味のある一冊から手に取ってみてはいかがでしょうか。
【質問3】ミステリー小説で一番売れたのは?
ミステリー小説で最も売れた作品は、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』です。
この小説は全世界で1億部以上の売り上げを記録し、歴史上最も多く読まれたミステリー小説とされています。物語は、孤立した島に招待された10人が次々と謎の死を遂げるという展開で、読者を最後まで引きつけます。この作品の成功は、巧妙なプロットと予測不可能な結末によるものです。そのため、ミステリー小説の愛好家にはぜひ一読をおすすめします。
【質問4】どんでん返しがすごい!ミステリー小説ランキングは?
どんでん返しが秀逸なミステリー小説は、読者に予想外の驚きを提供し、物語の深みを増します。特におすすめの作品をいくつかご紹介します。
- 『殺戮にいたる病』は、連続殺人犯とその家族を描いた作品で、衝撃的な結末が待ち受けています。
- 『十角館の殺人』は、孤島の館で起こる連続殺人事件を描き、巧妙などんでん返しが特徴です。
- 『容疑者Xの献身』は、天才数学者が関与する事件の真相を追う物語で、予想外の展開が魅力です。
これらの作品は、緻密なプロットと意外性のある結末で、多くの読者を魅了しています。ミステリー小説の醍醐味を存分に味わいたい方に、ぜひおすすめします。
そして、読みたい小説、人気マンガ、雑誌をお得に読むなら『Kindle unlimited』を使うのがおすすめ。
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まとめ:とにかく面白いミステリー小説のおすすめと選び方
とにかく面白いミステリー小説のおすすめと選び方をまとめてきました。
改めて、とにかく面白いミステリー小説をまとめると、
- 変な絵(雨穴)
- 変な家(雨穴)
- 教誨(柚月 裕子)
- 方舟(夕木 春央)
- 傲慢と善良(辻村 深月)
- マスカレード・ゲーム(東野 圭吾)
- 英雄の悲鳴 ラストライン7(堂場 瞬一)
- 高宮麻綾の引継書(城戸川 りょう)
- 近畿地方のある場所について(背筋)
- 変な家2 ~11の間取り図~(雨穴)
そして、とにかく面白いミステリー小説の選び方もまとめると、
- 話題の新刊や受賞作をチェックすることで、最新の面白いミステリー小説に出会える。
- 自分の好みに合ったジャンルを選ぶことで、読書の満足度が向上する。
- 読書レビューサイトの評価を確認することで、多くの人が面白いと感じたミステリー小説を見つけられる。
- あらすじを読んで興味を引かれるものを選ぶことで、自分にとって魅力的なミステリー小説を選べる。
- どんでん返しがすごいミステリー小説は、予想外の展開で読者を驚かせる魅力がある。
とにかく面白いミステリー小説を探す際には、話題の新刊や受賞作のチェック、ジャンルの選択、レビューサイトの評価確認、あらすじの確認が重要です。
特に、どんでん返しがすごい作品は予想外の展開で読者を魅了します。これらのポイントを参考に、自分にぴったりのミステリー小説を見つけてください。