Interview   vol.08

株式会社スピードリンクジャパン
取締役

太田 可奈 Kana Oota

「教育事業を通じてIT企業を盛り上げたい」という株式会社スピードリンクジャパン。技術面だけではなく、人間力も高いエンジニアの育成を目指していると言います。その1つの手法として「ワーケーション」の導入を推進している取締役の太田可奈さんにお話を伺いました。

インタビュー:Komforta Workation 山根好子

スピードリンクジャパン

Interview   vol.08

スピードリンクジャパン

株式会社スピードリンクジャパン

取締役

太田 可奈 Kana Oota

「教育事業を通じてIT企業を盛り上げたい」という株式会社スピードリンクジャパン。技術面だけではなく、人間力も高いエンジニアの育成を目指していると言います。その1つの手法として「ワーケーション」の導入を推進している取締役の太田可奈さんにお話を伺いました。

インタビュー:Komforta Workation 山根好子

コミュニケーションに活かす「ワーケーション」の取り入れ方

―まず、太田さんのこれまでのワーケーション体験について教えていただけますか。

コロナ前は経営合宿と称して、幹部層のメンバーで東京から出て缶詰で中長期計画を考えたり見直したりする時間をとることを毎年やっていました。これもワーケーションの1つかなと。管理者や幹部は仕事に追われていることが多いので、缶詰体制で何かに打ち込む時間を作ることはかなり貴重なことだと思っています。

最近では若手と一緒にワーケーションに挑戦しました。
電車の移動が2時間くらいあったので、移動時間にもワークを取り入れてみたんです。これがアイスブレイクになって面白かったです。普段しないようなパーソナルな話など、新しい切り口の話をして相互理解を深めてから、施設に到着後、仕事をガッツリとやりました。移動中の時間を有効活用するのはおすすめですね。

―ワーケーションに向かうまでの移動時間にもワークを取り入れたというお話は初めて聞きました!具体的にどのようなワークだったのかお聞きしてもいいですか?

座席の隣同士の人たちで未来と過去の話をしてもらうというワークです。例えば最初に、「3年前から今に至るまで、大きな感情の変化が起こった出来事、自分にとっての事件簿を話してください」というテーマで話してもらいます。次に、同じように「3年後の自分がどうなっているかという予測を話してください」というテーマで。そうすると、普段話すことのなかった一面や、思い描いている未来のことを知ることができる。
ちなみにそれだけでは終わらないんです!施設に到着してから今度は、他己紹介を皆に向けてやる。移動中に聞いたエピソードを皆に発表してもらうことで、全員のパーソナルデータを共有することができる仕組みです。

―お互いの背景を知った上で仕事に取り組むことで、チームビルディング要素も出てきますね。ワーケーションを企業として導入していくことの意義としてそういったことも意識されているんですか?

そうですね。ただ仕事が捗るというだけではない社員同士のコミュニケーションの場として期待している部分はあります。例えば、ちょうど今月チームでワーケーションに行こうという話を新規事業の責任者たちとしています。目的としては、最初にお話しした事業計画作成などができる場としてですが―――。
弊社のビジネスの主軸はシステム開発で、新規事業に携わるメンバーは割合としては約2割。そんな新規事業を任されている各事業責任者には結構なプレッシャーがあるんです。
そこで、事業責任者同士が抱えている悩みや経験を共有しあえる場があってもいいんじゃないかなと。オフィスだと責任者は気が張っている部分があり、弱音や辛かったことなどを吐露しあうことってなかなかできないですよね。周りの目もありますし(笑)
なので、ワーケーションという特別な場であれば発散と共有ができるんじゃないかなと。

また、CUBICという適性検査を全員がやってみて、ワーケーション中に結果のデータをもとにお互いに強み弱みを言い合えるような機会があってもいいなと考えています。責任者って、階層が上がれば上がるほど部下を評価・アドバイスすることは増えますが、自分自身を見てフィードバックをもらう機会は減っていきますよね。

事業計画を練るミッション以外にも、事業責任者同士の抱える課題や経験の共有、自分自身を顧みる機会になるなど大きな効果が期待できると思っています。

―なるほど。直接的な仕事の成果や進捗だけでない、付随する効果にも期待されているんですね。

はい。もちろん、直接的な仕事の成果についても大きな期待はあります。弊社では「プロつく」――「プロジェクトを作ろう」という、プロジェクトを企画・プレゼンして事業化するという仕組みがあるんです。でも、実際には走り出したプロジェクトが途中で立ち消えになってしまうこともあり、上手くいくものかどうかの判断が難しい面があります。
これも、ワーケーションを活用することでもっと効率的にできるんじゃないかと考えています。集中してプロジェクトを進めるためのワーケーションの機会を設定すれば、2回目くらいで「推進するメンバーがそろっているかどうか」、「動きがいいか、わるいか」、など現状と課題がはっきり見えてくるはずなので、投資の判断などプロジェクトに対する意思決定もしやすくなります。

働く場所にとらわれず、視野を広げていく機会を創る

―ワーケーションやフレックスプレイスのような「新しい働き方」を導入するにあたってのきっかけなどがあれば教えてください。

そもそも、弊社は既に比較的自由な社風ではあって、「働く場所」はどこでもよいという考え方があります。私自身、今はがんの闘病中だけれど、バリバリ働けているのはリモートが普及しているからですね。

今携わっている教育事業では新卒向けの研修なども行うのですが、自宅で長時間オンライン授業を受けることにストレスを感じるという声もあります。グループワークなどを行う時にはやはりワーケーションなど場所を変えて実施することでより研修を効果的にすることも検討したいと思っています。

―ありがとうございます。ワーケーション先では社員の皆さんにどんな体験をしてもらいたいと考えていますか?理想のイメージがあったら教えてください。

ママワーカーが多いので、子連れで行けるワーケーションがあるといいなという風には考えています。どうしても現状では子供を連れて遠方には行きにくいですからね。

あと、ワーケーション先で外部の方とたくさん話してほしいです!弊社はエンジニアが多いので、外部の方たちと交流する機会も少ないし、能動的に交流を好むタイプも多くない。新卒からの生え抜きも多いので、視野が広がりにくくなってしまうことを懸念しています。意識して交流しようとしなくても、知らず知らずに交流できるような体験プログラムがあると嬉しいです。

エンジニアだらけのワーケーション企画なんかも是非やってほしいですね。1泊2日くらいで、色んな会社の色んな年代のエンジニアが参加、講師もいて、出された課題について皆で共創しながら成果物を作り上げるイメージです。若手にとっては自分の技術を試して自信につながる場になり、ベテランは若手と交流して伝え方や育て方などの新しい視点が出てくるというメリットがそれぞれあると思います。

バックグラウンドや考え方が違う人同士で交流し、知識や技術、経験を共有して視野を広げていく機会が制度として会社にある、ということで採用しやすくなったり、人材が定着しやすくなったりということも考えられますね。

―最後に、私たちKomforta Workationの掲げているワーケーション「Work×Location×Connection」の考え方や、その人の人生自体を豊かにしていくというコンセプトのワーケーション体験に、共感や期待するところを教えてください。

生きているとライフイベントがたくさんあるけれど、どんな時でも働くという選択ができるようになってほしいです。そのためには、仕事に子供を連れていける、連れて行った子供も学べるような仕組みがあるといいですね。

子供をただ連れて行くだけというのはもったいないですし。私たちは今、子供向けプログラミングスクールの事業をやっていて、子供たちの学びを地方まで隅々まで届けたい、教育機会の地域間格差をなくし、選択肢を広げてあげたいという理念を持っているので、尚のことそう思います。

子供を仕事先に連れていった結果、子供も学べ、子供から大人も学べてという親子ワーケーションの体験ワークみたいなものがあって、手軽に、気軽に行けるといいなと思っています。

【プロフィール】
太田 可奈 氏
株式会社スピードリンクジャパン
取締役

コンサルとして携わっていたスピードリンクジャパンの取締役に就任。人事採用責任者を経て、現在は新規スタートアップ4事業と広報の責任者として従事。36歳時に早発閉経と診断され不妊治療をスタート。働く女性に卵子の在庫について検査を促す啓蒙活動などスタートアップの企業顧問やアンバサダーに就任。子育て参画の形を模索し、子会社アントレキッズでのIT教育や地区事業のMANABUYA(学生起業家育成プログラム)や東京理科大IDM(経営学部国際デザイン経営学科)アドバイザリーボードなど子どもたちが自分の未来の選択肢を増やすことを掲げ奔走中。

太田様、ありがとうございました!

ワーケーションの体験の中に、社員間のコミュニケーションや、それによるエンゲージメント向上の仕掛けがあるのはとても面白いですね。また、他社との交流や共創から視野を広げていく仕組みにも共感しました。共創ワーケーションの企画をどんどんご提案していきたいと思います。

次回のインタビューもお楽しみに!

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