Interview   vol.07

バリュエンスホールディングス株式会社
人事部長

大西 剣之介 Kennosuke Ohnishi

フレックスプレイス(ワーケーション)や週4日勤務など様々な「新しい働き方」の導入を推進しているバリュエンスホールディングス株式会社。今回は人事の責任者である大西さんに、企業としての導入の背景のお話を伺いました。

インタビュー:Komforta Workation 山根好子

バリュエンス1

Interview   vol.07

バリュエンス1

バリュエンスホールディングス株式会社

人事部長

大西 剣之介 Kennosuke Ohnishi

フレックスプレイス(ワーケーション)、週4日勤務など様々な「新しい働き方」の導入を推進しているバリュエンスホールディングス株式会社。今回は人事の責任者である大西さんに、企業としての導入の背景のお話を伺いました。

インタビュー:Komforta Workation 山根好子

「らしく、生きる。」をワーケーションで実現

―大西さんのこれまでのワーケーション体験について教えていただけますか。

人事と広報のメンバーでThinkSpace鎌倉を使ったのが、会社としてははじめてのワーケーショントライアルでした。僕個人は以前にThinkSpaceを利用したことがあったのですが、他の参加者は初体験だったので、利用するまでは「ワーケーションってやっぱりバケーション要素があるイメージだよね」「本当に集中して仕事できるの?気が散らない?」と言うメンバーもいました。でも、実際に丸一日利用し終えた後には皆「全然、仕事できますね!」という感想を持っていたんです。
仕事中に雑談ばかりしたわけでもなく、同じスペースにいてもそれぞれが別のMTGに出ていたり、個々でディスカッションをしていたり。個人作業をしていた人も集中できたと言っていました。同じ空間にいてそれぞれが仕事をしている状態が少し懐かしい感じもして、コロナになる前の感覚を思い出せたところもあります。

今はほとんどリモートワークなので、僕自身はたまにこういう機会を設けることでちょっとした遠足気分もあって気分転換にもなっていいと思っていたんです。だから、はじめて行った人にも同じように思ってもらえたというのは嬉しかったですね。

―実際に体験してみたら、ワーケーションのイメージが変わる人が多いんですね。既に社内でワーケーションをする方も増えているんですか?

今はコロナ禍で、働く場所の選択肢は在宅か職場かの2拠点だけなのが現状ではあります。でも、ちょうど先日「”在宅勤務”って絶対に家じゃなきゃダメなのか?」という議論が社内であったんです。その結果、弊社ではリモートワークは実家や旅行先でも好きな場所でOKとなりました。家にいるから、職場にいるから仕事ができる、ということ自体が幻想。場所に制限を掛けるのではなく、アウトプットで管理すべきではないか?と。

そもそも場所に制限を掛けることのメリットがあまり感じられない。例えば自宅のネットワーク環境が弱い、小さな子供がいるなどの場合なら、自宅近くの場所で快適に働ける場所があった方が効率的です。
当初は「チーム利用でのワーケーション」が有意義だと思って制度として導入したいと思っていたんですが、ワーケーションを「どこでも働ける=フレックスプレイス」の働き方と位置付けてどんどんチャレンジしたいなと。まずは一都三県内での利用から社内での導入が進んでいけばいいなと思っています。

―ありがとうございます。大西さんは今、人事の責任者としてワーケーションやフレックスプレイスでの働き方の推進を検討されるお立場にあるかと思いますが、会社としてワーケーションを導入しようと思ったきっかけや、導入のメリットについてのお考えを改めて伺いたいのですが。

3~4年もしたら、働き手の中心がミレニアル世代に移り変わります。既に弊社の社員の平均年齢は30歳と若いメンバーが多く活躍しています。そんな、次の世代の中心になる若手に対して、働く場所の選択肢として「家か職場か」の2つだけを与えるのが果たして幸せなのか?ということを考えました。そもそも働き方に制限を掛けることで業績が上がるのか?と考えると必ずしもそうではない。自由な場所で生産性を高くして働く方がいいですよね。
なので、将来の会社の発展のために、優秀な人を採用・リテンションしていかなければならない中で、制限を掛けない働き方ができるようにしていきたいと思っています。

弊社の理念として「らしく、生きる。」を掲げていて、僕はその考え方を大切にしています。社員にも、自分らしく生きるってなんだろう?ということを考えてもらえるようにしたい。ワーケーションやフレックスプレイスは、その中の一つの施策と考えていて、実は週4日勤務制度や社内複業の導入なども並行して進めています。すべては「自分らしさ」を追及することのため。弊社の理念に基づいています。

働き方の選択肢がもたらす、人材採用・育成と企業の成長への影響

―「らしく、生きる。」の考え方が根底にあるんですね。ちなみに、そういった新しい取り組み自体が、既存のベテラン社員にもたらす影響というのもあるんでしょうか。

ベテラン社員の中には保守的な考え方の人もいます。新しい働き方について「管理できるの?」という疑問も出ます。
そういう時に僕は「どこにいるかではなく、アウトプットを管理できたらいいのでは?」という話をするようにしています。勤怠管理はもちろんですが、成果や各社員のアウトプットの質がどうなっているかを管理できればいいんじゃないかと。

保守的な考え方自体が悪いわけではなくて、これまでの社会ではそのやり方で会社の業績を上げることに繋がっていた面もあったからこそ生まれる疑問だと思います。これからの社会で業績を上げることに繋がる管理方法が変わっていく、ということだと思います。

そんな保守的な世代の社員にも、「まずは自分でやってみる」経験が大事だと思っています。フレックスタイムやフレックスプレイスなどの制度は、トライアルでやってみてはじめて価値や意義が分かると思うので、徐々に体験者を増やしていくのが次のステップです。

特に、上の人が使ってよかったら、部下や後輩に「やってみたら?」と勧めることが増えて、広がりやすいです。保守的な人もいるという話をしましたが、実感値としては、世代によって反応が違うわけではないんです。感度の高い人はベテランの方でも「いいね」となりやすい。

―なるほど。ベテラン社員から若手に広がっていくことも期待できるんですね。既存社員の行動や意識が変わることで若手にもいい影響があると。

そうですね。最初は「あの人がやっているなら私もやってみよう」という始まりでいいと思います。会社にいれば成長するはず、与えられたものだけをやっていればいい、という受け身の姿勢から、自分でキャリアを選択していけるようになることの第一歩だと思います。選択肢を増やしていけば、自分らしさを追求していく社員も増えると信じています。

今の時代、就業観が変わってきている中で、他の会社を見せずに自分の会社だけ――「井の中を見ていなさい」としていると、個人の成長にはつながりにくい面があると思っています。元々優秀な人ほど外に出て行ってしまう。

1つの会社で長く働くことによって身につく、そこだけで重用されるようになる能力――企業特殊能力と呼ばれるものがあります。これは大体その会社に長年勤めていることで培ってきた人間関係とも言えますね。一方で、どこの企業でも通用する力、一般能力と呼ばれますが、どちらの能力を持つ人材を重用していきたいか?ということを考えると、弊社では後者だなと。そういう人材を採用・育成していきたい。

弊社での仕事を通じて成長し、自分らしさを追求していった結果、他社に転職したり独立したりして好きなことをして活躍している人も出てくると思いますが、僕たちはバリュエンスの卒業生があちこちで活躍することを喜ばしいと思っているんです。個人の成長と事業の成長の両立を大切にしていきたいと考えています。

―「自分らしさの追求」が働き方改革の根底にあるということがすごく伝わってきます。そんな中、社員の皆さんにはどんなワーケーション体験をしてほしいと思われますか?

はじめて出会う人との人的関係資本や、はじめてみた景色・知識・経験など家や職場、ホテルにこもって仕事をしているだけでは得られないものを得る体験ですかね。行ける範囲で足を延ばして、色んな所で仕事をすることで、新しいインスピレーションを得ることができるし、人との出会いで感じるものがあるはずです。趣味など自分の好きなことをする時間の前後に仕事をくっつける、などもいいと思います。

―なるほど。Komforta Workation(コンフォルタ・ワーケーション)では、人の活性化に熱心な会社が複数社法人プランを導入していて、他社とのコラボができるような「共創ワーケーション体験」を企画しているのですが、そういう体験についてはどうお考えですか?

コラボができるワーケーションへの参加もあり得ると思います。ワーケーション中に他社の人と共同で何かできるという体験があると面白いですね。
知り合いを増やす、繋がりを作る、それきっかけでビジネスができて人的資産が広がっていくのは魅力的です。

―最後に、私たちKomforta Workationの掲げているワーケーション「Work×Location×Connection」の考え方や、その人の人生自体を豊かにしていくというコンセプトのワーケーション体験に、共感や期待するところを教えてください。

企業での導入を推進する立場から思うのは、「ワーケーション」という言葉から「バケーション」という要素を抜いていくことが大事かなと思っています。イメージ的に、仕事のため、企業の成長のために繋がる、ということが伝わりにくくなってしまう側面があると思うので。

また、ワーケーションを導入している企業がどうしているのかを実績を発信していくことに大きな意味があると思っています。「あの会社もやってる、この会社もやってる」となってくると、導入しやすい企業もどんどん増えてきます。ワーケーションやフレックスプレイスの考え方、新しい働き方が浸透していくように、今後もチャレンジしていってほしいです。

【プロフィール】
大西 剣之介 氏
バリュエンスホールディングス株式会社
人事部長

大学卒業後、デロイトトーマツコンサルティング㈱に入社。コンサルタントとして株式上場支援(2年)および人事コンサルティング業務(4年)に従事。2012年に日清食品㈱に転職し、人事制度の運用・改革、組織・人材開発、HRBP、中途採用など人事領域全般に幅広く関与。
2020年にバリュエンスHD㈱に転職し、人事部長として人事部を統括する役割と並行して、ESG経営に関するプロジェクトにも従事。

大西様、ありがとうございました!

ワーケーションやフレックスプレイスの導入について、人事のスペシャリストとしての貴重なご意見をうかがうことができました。革新的な働き方改革の根底に「らしく、生きる。」というバリュエンスホールディングス株式会社の理念があるということをお聞きして、改めて素晴らしい会社だなと感じます。皆さんが自分らしく活き活き働ける社会づくりに、私たちも貢献していきたいと思います!

次回のインタビューもお楽しみに!

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